胆道拡張症(たんどうかくちょうしょう)
胆管は肝臓で作られた胆汁の通り道で、十二指腸への出口のところで膵液が通る膵管と一緒になります。胆汁や膵液は十二指腸 のなかで食物と混ざり合い,栄養素の消化・吸収を助けています.先天性胆道拡張症は、言葉のとおり先天的に肝臓と十二指腸との間にある胆管が拡張している 病気です。胆道が拡張しているために,胆汁の流れが悪くなり、黄疸や白っぽい便,お腹にしこりを触れるといった症状がおこります。こどものときに見つかる ことが多い病気ですが,おとなになって発見されることもあります.また男の子と女の子を比べると,約4倍女の子に多く、東洋人に多い病気です。 この病気では、多くの患者さんで膵管と胆管が十二指腸の手前で合わさって一つの管になってしまう奇形が見つかっています。この奇形があると胆管の中で膵 液と胆汁が混じりあうために、消化酵素が胆管の壁を傷つけ腹痛を発生させたりします。その程度はまちまちで、なかには吐き気や嘔吐をくり返し、自家中毒と 診断されているこどもさんや、軽い腹痛を繰り返しているこどもたちもいます。